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2013年11月16日

武器と防具 日本編

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パラパラ見してたら釘づけになったのが「捕縄(とりなわ)」の項目。

江戸幕府の警察権力の権威を象徴させるために
さまざまな定めがあり様式美といえるほどに高められていたのだそう。

犯人を逮捕して罪名が定まってから正式に結び玉を作って縛るのが「本縄(ほんなわ)」。
捕物の際、容疑者の拘束目的で使うのが「早縄(はやなわ)」。

刑が確定するまでは結び玉を作らないのが慣例。へーっそーだったのか。
岡っ引は勝手に縛れないのでルールを守ってぐるぐる巻きにしていたんだ。

一方、町方で本縄をかけられるのは同心だけ。
八丁堀の組屋敷の稽古場で複雑な縄打ちの鍛錬に励んでいたらしい。

色も一目で分かるように、北町奉行(白色麻縄)、南町奉行(青色麻縄)、
寺社奉行(白色細引)、伝馬町牢獄(紺染麻縄)と区別。

縛り方も犯罪者の身分、職業、性別によって異なり、さらには
船中や国渡しなど移動の状況に応じても区別され、主なものでも40通り以上。

町人・百姓:十文字縄、割菱縄、違菱縄(ちがいひしなわ)、上縄
僧侶:返し縄
神職:注連(しめなわ)
山伏:笈筏縄(おいすりなわ)
女性:乳掛縄
武士:二重菱縄

こうした区別は身分階級性を重んじるという考え方から発生し
縛る側も縛られる側もこれが守られないことを恥とする風潮も生まれるほどに定着。
捕縄術の流派は50を越え、縛りの「型」も300種以上にもなったほど。

・・・知らなかった。この本楽しい。

「武器と防具 日本編 / 戸田藤成 著」より

投稿者 jam : 2013年11月16日 18:36