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2013年04月22日

タイホルダーとカフリンクス_シャツってナニ?・後編

「ドレスシャツはアクセサリーのひとつであり、また下着である。」・・・マジすか!!

下着のパンツがない時代に下着として用いられ、シャツの裾が長いのは
それで大事な部分を覆った習慣に基づいているんだそうな。
てっきり着崩れ防止の為の工夫だと思ってた。・・・確かに効率良く隠せてる。
フランス語でシャツは「シュミーズ(chemise)」・・・おお、なるほど下着だ。
「裸にワイシャツの女の姿」が男心をそそる都市伝説は扁桃体が下着を感じたからか?

■ シャツの語源 ■ シャツは「shirt=シャート」と発音するのが本来で、古代英語の「scyrte=スキルト」が語源で「裾の短い服」とう意味。これが古代ノルマン語の「スキュルト=skyrt=scyrt」に繋がって「シャート(shirt)」と「スカート(skirt)」に分かれた。っていうことは、元々はワンピースみたいな形がだったのが上部がシャツに、下部がスカートになっていったということになる。

■ シャツの歴史 ■ 14世紀に入ってから襟腰(ネックバンド)と袖口の帯(カフス)が出来て下着から中着へ進化していき、レースやフリル等の貴族好みの豪華なデザインがピークを迎えたのが16世紀。17世紀半ばにクラヴァット(ネクタイの原型)が登場してからシンプル路線へ。ドレスシャツの体裁を整えるのはもっと後で、19世紀(フランス革命後)に入ってから。そして1930年代に襟とカフスを最初から作り付けしたスポーティーな「テニスシャツ」が流行し、これが現在のドレスシャツの直接的な原型として大きな影響を与え、第二次大戦後に今に見るような一般的なものとなる。

■ 日本のシャツの歴史 ■ 日本では幕末ごろに「ショルツ」「シュルツ」「シルト」「シャルト」などと呼び、それに「上襦袢」と当て字をしていたらしい。・・・合ってる。「下襦袢」がスカートでも語源的にすごく自然。この時代の当て字は天才的で美しい。巷に溢れるキラキラネームもこれくらいなら良いのに。そして明治5(1872)年の宮中礼服制定によって洋装が必要となりこれと合わせるために中着としてシャツを着るようになったのが日本のドレスシャツの始まりとされている。

■ ワイシャツの語源 ■ 日本で最初にドレスシャツを扱ったのは横浜の唐物屋「大和屋」とされ、注文シャツの老舗として横浜弁天通りに店を出したのが明治9年。その当時の舶来シャツはすべて「白」。それゆえシャツは「ホワイトシャツ」と呼ばれ、それが訛って「ワイシャツ」と称され、明治40年代になってやっとの一般化ととも「ドレスシャツ=ワイシャツ」が公認されるようになっていくこととなる。・・・「Yシャツ」の「Y」の隙もない。一体「Y」は、どこから来てどこに行ったんだろう?

■ カッターシャツの語源 ■ 大正4(1918)年に神戸のスポーツ用品メーカー「美津濃(現ミズノ)」の創業者、水野利八が第一次大戦に勝利したことを記念して「勝ったシャツ」をもじって「カッターシャツ」と名付けた。というのが有力とされているらしい。う〜ん、さすがダジャレ大国。関東がワイシャツ、関西がカッターというのも頷ける。

■ ピーコック革命 ■ 1967(昭和42)年に「雄孔雀のようにもっと色彩豊かになろう」という趣旨の、アメリカ・デュポン社の提唱で始まった運動。この運動でドレスシャツとネクタイのカラフル化が始まり一気にファンション商品へ押し上げたドレスシャツのニュースークール。

■ ドレスシャツ(dress shirts)■ デザイン的な特徴は4つ。

【1】「シャツ仕立て(裏地が付かない)」「シャツスリーブ仕立て(テーラードジャケットとは異なる袖の付き方)」であること。

【2】「ツーピースカラー」であること。ドレスシャツの襟はダブルカラー(二枚襟)といって「台襟(襟腰=ネックバンド)」と襟羽根(襟腰=カラー)のふたつのパーツで構成されるツーピースカラーとなっていて、これを一般に「シャツカラー」と呼ぶ。

【3】「カフス」が付くこと。カフ(cuff)は「袖口」の意味で、幅広のバンド状の布地を付けて手首を覆い、左右あるから複数形で「カフス(cuffs)」と呼ぶ。

【4】「テールドボトム」であること。ドレスシャツの裾は「テールドボトム(tailed bottom)」「ラウンド(round bottom)」といって、弓型の弧を描いているのが何よりの特徴とされている。これを「シャツテール(shirt tail=シャツの尾)」とも称する。下着の役割も果たした歴史上の事実に則っている。現在では直線的にカットした「スクエアボトム(square bottom)」も見られるようになった。・・・スクエアボトムなドレスシャツがあるのかなぁ。なんとなく残念。

■ カラー(襟型)の種類 ■ ドレスシャツにおける最大のデザインポイント。スーツの襟とバランスよくデザインされネクタイのノット(結び目)と相まってよりよいVゾーンを形作る。「スーツをよりよく見せるため」のものだからドレスシャツもネクタイや靴と同じメンズアクセサリーズになるわけだ。ドレスシャツにおける最大のデザインポイントなので「メンズファッション大全/著者:吉村誠一」には32種類の説明が。混乱する(私が)ので省略。

■ カフス(袖口)の種類 ■ ドレスシャツをドレスシャツたらしめているデザインがカフス。「剣ボロ(手口ともいう)」と呼ばれる短冊状のカフスプラケットを設け、その先に幅広の共地を取り付けて「シャツカフス」と称する。

【シングルカフス(single cuffs)】折り返しが付かない一重仕立てのカフス。昔は糊で硬く固めてカフリンクスで留める形を称したが、現在では「バレルカフス」と呼ばれる簡便なデザインのものを「シングルカフス」と呼ぶようになっている。ダブルカフスの対語。

【バレルカフス(barrel cuffs)】シングルカフスの別称。バレルは「樽」という意味で形状が似ているところからきている。

【ダブルカフス(double cuffs)】シングルカフスの「一重カフス」に対する「二重カフス」のこと。カフリンクス(飾りボタン)で留める合わせるのが最大の特徴。ドレッシーな趣きが出るため、フォーマル用のシャツに多く用いられる。

【フレンチカフス(French cuffs)】ダブルカフスの別称。かつて硬く糊付けされたシングルカフス全盛時代に、柔らかいダブルカフスを「変わったカフス」という意味で呼んだもの。アメリカでよく用いられる言葉で「コンチネンタルカフス」などとも呼ばれる。

【コンバーチブルカフス(convertible cuffs)】「変換可能なカフス」という意味で、袖口の両側にボタンホールを開け、普通のボタン留めにもカフリンクス留めにも使えるようにした両用型のカフス。カフリンクスを飾れるようにしたのが大きな特徴。「ツーウェイカフス(two-way cuffs)」などとも呼ばれる。

【ツーボタン・アジャスタブルカフス(two buttons adjustable cuffs)】シングルカフスの袖口ボタンが横並びに2つ付けられたもので、袖口のサイズ調整ができるようにした形をいう。単純に「アジャスタブルカフス」とも呼ぶ。

【リンクカフス(link cuffs)】カフリンクスで留めるようにしたカフスの総称。「ダブルカフス」「コンバーチブルカフス」もこの一種。

【ターンナップカフス(turn-up cuffs)】袖先を折り返したカフスの総称。「ターンオーバーカフス(turn-over cuffs)」「ターンバックカフス(turn-back cuffs)」ともいい、一般にダブルカフスの別称とされているが「ダブルと見せかけて実はシングル」みたいな特殊なシャツカフスのことも指す。パンツの裾の折り返しにも用いられる。

【バンドカフス(band cuffs)】細い幅の布地を袖口にあしらってバンド状にしたカフス。袖口にギャザーを寄せるのが特徴で、おもにパフスリーブのような女性用ブラウスに見られるデザイン。

・・・ということは「コンバーチブルカフス」の袖を探せば良いってことだ。うん。

投稿者 jam : 2013年04月22日 13:40